院長ブログ「やまだより」

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2015年3月○日  前兆のある片頭痛

38歳女性 初診の患者さん

17歳のころから1ヶ月に2−3回、必ず視覚前兆を伴う頭痛があった。 この前兆は頭痛の始まる30分前から生じ、ギザギザが左視野に現れ、だんだん大きくなって、目の前が見にくくなる。 この症状は30分すると治まり、次に強い頭痛が始まる。 頭痛は嘔吐を伴うことがよくある。 このときはイブを飲んでも効かない。

典型的な前兆のある片頭痛と考えられ、頭痛時にトリプタン製剤(レルパックス)を飲むように処方した。 前兆を生じることがつらいため、その予防としてバルプロ酸(セレニカR)を処方した。

コメント

この方にみられる視覚前兆は典型的なもので、診断は「前兆のある片頭痛:典型的前兆に片頭痛を伴うもの」です。 頭痛時にレルパックスを飲んで経過をみることにしました。 また前兆が多い場合は、その予防薬としてバルプロ酸があります。 この薬は、もともとはてんかんに対する薬ですが、発作予防に効果的です。 前兆が少なくなることを期待したいと思います。 予防薬は痛みの有無にかかわらず毎日飲みますので、前兆の回数を考えると予防薬の必要性があるかどうか難しいところですが、 月に2−3回であっても前兆がとてもわずらわしいということでしたので、処方しました。

次回来院時に、頭痛の状態をお聞きして効果を期待しています。